胃腸炎への対処法(ウイルス性を中心に)|八尾市・大阪市平野区|はらだ小児科・内科・アレルギー科|小児科・新生児内科・アレルギー科・内科

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胃腸炎への対処法(ウイルス性を中心に)

胃腸炎への対処法(ウイルス性を中心に)|八尾市・大阪市平野区|はらだ小児科・内科・アレルギー科|小児科・新生児内科・アレルギー科・内科

★胃腸炎の種類

胃腸炎には、感染性とその他(食事・化学物質・アレルギー性・好酸球性など)があり、感染性の中にもウイルス性・細菌性・その他特殊なもの(ピロリ・寄生虫など)があります。

感染経路としては、食事によるもの(食中毒)と、人の吐物や便を経由して移ったもの(接触感染)があります。牡蠣でのノロウイルス感染などが有名ですが、ウイルス性の胃腸炎ではヒトからヒトへの感染が、実際には大半と思われます(特に小児では)。

 

どんな経過?(ウイルス性胃腸炎)

潜伏期間はノロウイルスで1~2日、ロタウイルスで2~4日、アデノウイルス胃腸炎で3~10日と言われています。牡蠣に当たってすぐ発症する印象が高いため数日以内と考えがちですが、ウイルス性胃腸炎全体では潜伏期間1~10日でかなり長期にわたります。

症状としては、ちょっと食欲がない・期限が悪い→おなかが痛い・吐き気・嘔吐→下痢→回復といったパターンが典型的です。ただ、原因ウイルス・年齢・体質によって様々です。乳児では、胃腸炎関連のけいれんを発症することもあります。

ノロウイルスは上部消化管寄り(胃や小腸側)に影響を与えるため、いきなり嘔吐・腹痛で始まり、1~3日間続いた後、下痢は短期間で治まります。

ロタウイルスは下部消化管寄り(大腸や肛門側)に影響を与えるため、下痢を主体に数日から1週間程度続くことが多く、便が白っぽい&酸っぱい匂いがするのが特徴です。

アデノウイルス胃腸炎は、50以上の型があるアデノウイルスのうち、特に胃腸症状が主体のものを言います。胃腸症状だけでなく、発熱することが多く、腹痛も強く、咽頭痛や眼痛・目ヤニを伴うこともあります。便はモロモロとした茶色の便で匂いは少なく、1~2週間続くことがあります。

 

検査について

ウイルス性胃腸炎には、クリニックで検査できるものとしてノロウイルス・ロタウイルス・アデノウイルスがあります(それ以外の原因ウイルスも沢山あります)。

ただ、当院で便のウイルス検査を行うことは多くありません(おそらく胃腸炎患者さんの1割程度)。なぜなら、ウイルス性の胃腸炎であれば、ノロでもロタでもアデノでもそれ以外でも、治療法や対処法はほぼ変わらないからです。そのため、原因微生物の検査を行うのは、①乳児、②入院を考慮するような重症例、③基礎疾患がある方、④保育園や保護者からの要請でそれなりの合理性があるとき、としています。

検査方法は、肛門から綿棒で検体を採取したり、浣腸で便を取ります。もし自宅で下痢便などがあれば、持参いただくと検査する場合スムーズに行えます

また、血便がある場合は、細菌性の胃腸炎(O-157大腸菌・カンピロバクター菌・サルモネラ菌など)を疑って、積極的に便培養検査を行います(重症化リスクが高く、抗菌薬治療・入院・保健所との連携などを考慮する必要があるため)。


治療について

対処療法が基本となります。

薬物治療:制吐剤(吐き気止め)・整腸剤(おなかの調子を整える)・解熱薬などを使用します。制吐剤は、それのみ使用し、30分以上経過して効いてきたら、少量ずつ飲水を試していただきます。吐き気が強い場合は座薬を使用します。

経口補水:乳児では母乳やミルクを使用し、離乳食は与えなくて大丈夫です。幼児以降は、食事は無理に摂らず、水分が飲めることを目指します。できれば糖分や塩分を含んだものを摂取し、低血糖や低ナトリウム血症を防ぐのが理想です。当院ではOS-1やアクアライトだけでなく、糖分としては薄めのジュース(なっちゃんなど)、塩分としてはお味噌汁やコンソメスープ・お出しなどもお勧めしています。乳製品(粉ミルクを除く)は、水下痢があるうちは控えてください。

嘔吐後はすぐに飲んでも嘔吐しやすいため、少なくとも1時間は空けて水分を一口だけ与え、5~10分大丈夫なら少しずつ増やしていくようにしましょう。

食事:無理に摂らなくても大丈夫です。一方で、無理に絶食とする必要もありません。食べられそうなら、胃腸に優しいもの(やわらかく、塩分や刺激の少ないもの)を、無理せず少量ずつ、ゆっくり摂るようにしてください。普段より柔らかめに炊いたおかゆやおうどん、お菓子ならかっぱえびせんなどのノンフライで塩分も含んだものがおススメです。食事で糖分や塩分が摂れるようになれば、飲水は水・お茶中心でも大丈夫です。

点滴:1日以上水分がほとんど摂れない場合や、尿が極端に少ない場合、低血糖を伴っている場合などは、点滴を施行します。点滴を考慮する場合は、予約時間や順番に係わらず早めの時間帯に受診し、受付で申し出てください(点滴の判断は医師が行い、保護者とご相談して最終決定します)。重症度が強い場合や単回の点滴で回復しない場合は、入院での加療をお薦めしています。

 

★感染予防

接触感染ですが、患者さんと直接の接触がなくてもうつること、場合によっては飛沫からもうつることなど、注意が必要です。

①胃腸炎患者さんと食べ物や食器を共有しない(便や吐物から感染します)

②便や吐物の処理時は、できれば手袋などを着用する

③便や吐物の処理後は、薄めた塩素系漂白剤(ハイター100倍希釈など)で拭く・ひたす

④手を石鹸や洗剤で洗う(ノロやロタなどは、アルコールが効きにくいです)

トイレをできれば別ける。難しければ、流すときはトイレのフタをして、5分間は次の人が入らないようにする(流すときにウイルスを含んだ粒子が空気中に漂うため)。トイレの床を触らない。

取っ手など、皆が触る場所を清潔にする(嘔吐→唾液や鼻水にウイルスが含まれる→手で鼻や口を拭く→ドアを触る、などでも移ります)

 

★早めに受診・再診した方が良いときは?

(発症しても、嘔吐など胃腸症状のみであれば、すぐに緊急で受診する必要はありません)

〇脱水や低血糖を疑う場合(しばらく飲水できない、排尿がかなり少ない、ぐったりしている)

〇便に血が混じる場合(細菌性の胃腸炎や腸重積を考えます)

〇下記の「入院が必要となる」条件の場合は、救急受診も考慮ください。


入院が必要となるのは?

①脱水が強い場合(長期に経口補水できない、排尿が半日ないなど)

②乳児で症状が強い場合

③けいれんを伴う場合(胃腸炎関連のけいれんは、群発しやすいものとして有名です)

④意識障害

⑤倦怠感が強い場合


★登園や登校の基準は

嘔吐や下痢が落ち着き、活気や食欲が回復していれば大丈夫です。

軟便程度なら問題ありませんが、便中の感染性はしばらく(1~2週間)残りますので、便の処理には注意をしてください。

はらだ小児科・内科・アレルギー科 原田太郎