インフルエンザってなに?|八尾市・大阪市平野区|はらだ小児科・内科・アレルギー科|小児科・新生児内科・アレルギー科・内科

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インフルエンザってなに?

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インフルエンザって?

ウイルスによる気道感染症で、一般的なカゼ(ウイルス性の上気道炎)のウイルスに比べ、重症化しやすいのが特徴です。日本では冬に流行し、春先に沈静化しますが、少ないながら他の季節でも罹患者はおられます。年齢問わず罹患し、大流行した年には日本での全死亡者数が増えるほど、影響は大きなものです。

インフルエンザワクチン(予防接種)は、別ページ(←リンク)で解説しています。)
(・インフルエンザ経鼻生ワクチン(フルミスト)も、別ページ(←後日リンク予定)で解説しています。)


どんな経過?

潜伏期間は1~3日で、つぎつぎと掛かっていきます。高熱・だるさ・せき・鼻水に加え、頭痛・筋肉痛・関節痛などの症状が強いのが特徴です。数日から1週間程度で軽快しますが、しばらく後遺症に悩まされる方もおられます。

小児では、けいれん(ひきつけ)・肺炎・ぜん息・中耳炎などの合併がよく見られます。また、毎年50~200人の小児がインフルエンザによる急性脳症に罹患しているという報告があります。私も、脳症や重症肺炎によって不可逆的な後遺症が残ったり、亡くなられた方を複数みてきました。そういったことを防ぐためには、まず予防接種が大切だと考えています(詳細はワクチンのブログで)。


検査について

抗原検査(お鼻から採取して5分程度で結果の出る検査)での診断が通常ですが、発症から24時間以内だと偽陰性(実際にはかかっているが、検査上は陰性と出る)の可能性があります。

当院では、そういった場合は
①検出感度の高い(←罹患から短時間でも検出されやすい、ただし検査時間が長い)検査をしたり、
②翌日などに再検査したり、
③家族内感染など明らかに罹患濃厚な場合は、そもそも検査せずに陽性と判断して治療したり、
といった対応をしています。


治療について

インフルエンザの治療薬は、ウイルスの増殖を抑える薬です。そのため、診断された場合は早め(48時間以内)の内服が推奨されています。

当院では、以下のような治療薬を使用しています。
①タミフル(オセルタミビル) (0歳~) 1日2回、5日間内服します。世界で最も使用経験のあるお薬です。
②イナビル(ラニナミビル) (小学生ぐらい~) 1回の吸入で治療できます。口から勢いよく吸入できる方にのみ使用できます。
③ゾフルーザ(バロキサビル) (12歳~) 1回の内服で治療できますが、小児では耐性ウイルスが出やすいため当院では12歳以上に使用しています。
④ラピアクタ(ベラミビル) (全年齢) 点滴での治療薬で、1-2日間投与します。当院では、入院を考慮するほど重症の方に使用を検討します。

鎮痛解熱薬については、副作用(ライ症候群)の関係からアセトアミノフェン(カロナールやアルピニーなど)が推奨されます。
インフルエンザ自体が異常行動を引き起こしやすいと言われており、窓やドアから飛び出さないように、環境を整えてください。


ご自宅でできること

クーリング(おでこを嫌がる場合は、冷やせる枕など後頚部を)。
水分を摂るようにしてください。その際は、糖分や塩分が含まれているものが理想的です。離乳完了前の乳幼児では、ミルクや母乳が飲めていれば離乳食は無理しなくて大丈夫です。
・けいれんが起きたときは、すぐに止まればそのまま自宅での観察で大丈夫です。ただし、止まっていないときや2回以上起きた時、意識がおかしい時は、救急要請を検討してください。
・呼吸がしんどいときは、肩枕をする(タオルを折って横長に肩甲骨の下に入れます)、体を起こし気味にする(リクライニング)、抱っこするなどでラクになることがあります。


入院が必要となるのは?

①呼吸が苦しく酸素化が保てない、②哺乳や経口摂取ができない、③細菌感染を合併している、④けいれんを繰り返す、⑤意識がおかしい、などがあれば入院が必要となります。


はやめに受診・再診した方が良いときは?
〇肩で息をしている、胸が凹むような呼吸をしている、ゼーゼーがひどい
〇ミルクや飲水ができず、おしっこが少ない
〇意識が低下している、明らかな異常行動がある、けいれんを繰り返す


(ここからは、よもやま話です)
型による違い

インフルエンザには、大きく分けて3つの型があります。えっ、AとBの二つじゃないの!?と思われるかもしれませんが、実はC型もあるのです。でも、流行するのはAとBだけなので、一般的な検査でC型は検出できませんし、私も見たことはありません。

では、A型とB型はどう違うかというと、一般的なイメージのインフルエンザがA型です。急に39-40℃の高熱が出て、3-4日続いて急に改善するって感じです。一方でB型は、A型とちょっと長引くカゼの間のような経過です。熱は38-39℃ぐらいで日内変動がありますが、全体では5-7日間ぐらいちょっと長めに続きます。

通常はA型が11-12月ぐらいから増え始め、1-2月頃にピークとなります。その後、2-3月頃からB型が増え始め、4-5月頃には収束するといわれています。でも、年によるバラつきが大きく、B型がほぼ出現しない年もあります。


インフルエンザウイルス以外のインフルエンザ??

インフルエンザという名前は、一般的なインフルエンザウイルス以外にも「パラインフルエンザウイルス」や「インフルエンザ桿菌(細菌)」など、全く別の病原体にも付いています。なんせ「インフルエンザ」とは、YouTubeやInstagramなどの「インフルエンサー」と同じで、「影響する・流行らせる」といった言葉そのままなので、もともと固有名詞っぽくないんです。

大阪赤十字病院で勤務しているときも、よく患者ご家族に「他院の検査でパラインフルエンザって言われたけど何ですか?」と聞かれたり、細菌培養でインフルエンザ桿菌が検出された時に「あのインフルエンザではなくバイ菌のインフルエンザというのがあって、抗菌薬が効きます」なんて説明をよくしたものです。

はらだ小児科・内科・アレルギー科 原田太郎