実は怖い溶連菌|八尾市・大阪市平野区|はらだ小児科・内科・アレルギー科|小児科・新生児内科・アレルギー科・内科

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実は怖い溶連菌

実は怖い溶連菌|八尾市・大阪市平野区|はらだ小児科・内科・アレルギー科|小児科・新生児内科・アレルギー科・内科

溶連菌による扁桃炎は、適切な治療を行えばすぐに元気になりますが、

不適切な治療を行えば怖い合併症のある感染症です。

 

★溶連菌って?

A群溶血性レンサ球菌(GAS・Strep A)によるのどの感染症です。
よく耳にする多くの感染症(インフルエンザ・コロナ・アデノ・RSなど)はウイルスですが、
溶連菌は細菌(バクテリア)による感染症のため、特徴や治療が異なります。

つば(唾液)や鼻汁から感染します(飛沫感染と接触感染)。
そのため、幼児~学童(3~15歳頃)に多い感染症ですが、大人もかかります。

★どんな症状?

のどの痛み(咽頭痛)
発熱
・首の腫れ(頚部リンパ節腫脹)
・扁桃腺や咽頭(のどの奥)の発赤や腫れ
・いちご舌(舌の表面のぶつぶつ) 約20%
細かな赤い発疹(全身もしくは手足)約40%
腹痛 約30%

〇 のどの痛みだけで発熱のない方や、まったく症状のない方(無症候性)もおられます。

〇細かな赤い発疹や腹痛が出るのは一部の方ですが、出た場合は溶連菌を強く疑います。

★検査について

のどの迅速検査で診断します(検査時間は2~10分)。
当院では、検査の正確性がとても高いPCR検査を導入しています(状況に応じて一般的な抗原検査も使用します)。

★治療について

抗菌薬の内服を行います。
一般的には内服を開始すると半日~1日程度で症状が改善するため、診断や治療をする意味のとても高い感染症です。

ただし、症状が改善しても10日間の治療を最後まで完了することが大事です。

★登校や登園について

抗菌薬を内服して24時間が経過し、解熱していること。
元気や活気が戻っていること。
経口摂取(食事や飲水)が回復していること。
それらが満たされると、比較的短期間で復帰できます。
(登校・登園許可証は、当院から必要と言うことはありません。学校や園の決まりで必要な際は、解熱していればいつでも記載します。必要な場合は、保護者の方にはご負担をお掛けしますが、解熱後に再診をお願いいたします。)

★合併症について

●猩紅熱(しょうこう熱・スカーレットフィーバー)
これは合併症というより、溶連菌感染自体が重症化・顕在化した状態です。身体の発赤・いちご舌・回復期の膜様落屑(指先の皮がベロンとめくれること)などの症状があり、溶連菌が出す毒素が原因となります。治療は通常の溶連菌と同じですが、他の合併症が生じるリスクが少し高くなります。(不謹慎ですが、個人的には英語名がカッコいいと感じます。)

●リウマチ熱(心臓の筋肉・心膜・弁などの炎症、関節炎、舞踏病)
昔から知られる溶連菌の合併症で、昭和の前半まではかなり有名なものでした。重症化もしくは適切な治療が行われなかった溶連菌感染の一部で起きます。診断や治療が向上した現代では稀ですが、それでも私自身も数例は経験したことがあります。
特に心筋炎や心膜炎では心不全となって命に係わることがあったり、僧帽弁閉鎖不全という一生モノの合併症を生じたりするため、注意が必要です。

●急性糸球体腎炎(血尿・たんぱく尿・ネフローゼ症候群)
溶連菌感染後、1-2週間ほど経ってから、腎臓から赤血球やたんぱく質が漏れだす病気です。軽症例では尿検査で赤血球やたんぱく質が陽性となるだけです。しかし有症例では、血尿(ピンク色~うすい褐色の尿)・浮腫(むくみ)・倦怠感(だるさ)・高血圧・腎不全(尿量の低下)などの症状が出てきます。その場合は、長期の安静や投薬治療、重症例では数カ月の入院や透析治療が必要になることもあります。

これらの合併症は一部の人にしか起こりませんが、溶連菌感染の程度が重かった人や長かった人、治療が適切でなかった場合などにリスクが増えます。当院では、しっかりとした症状があった方には感染後の尿検査をお勧めしています。

 

★ご自宅でできること

一番の治療は、抗菌薬を内服することです。どうしても経口摂取ができない場合は、点滴での投与も検討します。
・のどの痛みが強い場合は、刺激の少ない食事や飲み物を試してください。
・発熱で倦怠感が強い場合や、咽頭痛で経口摂取がしにくい場合は、鎮痛解熱薬(アセトアミノフェンやカロナール)を使用してください。鎮痛解熱薬を使用して30分ぐらいすると少しラクになるので、その状態であれば抗菌薬や経口摂取ができるようになることも多いです。
・唾液や鼻汁から感染します。抗菌薬を内服して数日間は、家族内でも食器などは分けておいてください。
・溶連菌は免疫が付かないため、抗菌薬内服を完了しても数日すると、他の人から再罹患することがあります。身近な人で咽頭痛などの症状があれば、溶連菌保菌の可能性を考慮(必要に応じて受診)ください。

★入院や点滴が必要となるのは?

①飲水ができない、②薬が内服できない、③ぐったりが強い、④リウマチ熱や急性糸球体腎炎などの合併症を疑う、などがあれば点滴や入院などの治療が必要となります。

はらだ小児科・内科・アレルギー科 原田太郎