舌下免疫療法(スギ・ダニ)の Q&A|八尾市・大阪市平野区|はらだ小児科・内科・アレルギー科|小児科・新生児内科・アレルギー科・内科

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舌下免疫療法(スギ・ダニ)の Q&A

舌下免疫療法(スギ・ダニ)の Q&A|八尾市・大阪市平野区|はらだ小児科・内科・アレルギー科|小児科・新生児内科・アレルギー科・内科

(舌下免疫療法の説明は、舌下免疫療法(スギ・ダニ)ってどんな治療?」(←リンク)をご覧ください。)

★Q.01 スギ花粉の舌下免疫療法は、ヒノキ花粉症にも有効ですか?
アレルギーはその動植物などが持つアレルゲンに対する過敏反応です。スギ花粉とヒノキ花粉には共通するタンパク質があり、それがアレルゲンになっていることが多いです(共通抗原)。そのため、ヒノキ花粉の時期にも症状が出る方でも、スギの舌下免疫療法が奏功することは多いです。
ただし、ヒノキ固有のタンパク質に反応する方には、効果が乏しくなります。実際には人それぞれですが、症状として「スギ>ヒノキ」や「スギ≒ヒノキ」の方はヒノキ花粉の症状にも効果がある可能性が高く、「スギ<ヒノキ」の方は効果が乏しい可能性が高いと考えられます。

★Q.02 ダニの舌下免疫療法は、ハウスダストアレルギーにも有効ですが?
有効な可能性が高いです。なぜなら、ハウスダストとは自宅内でホコリとして触れる様々なものをブレンドしたものですが、主成分はダニの死骸や糞です。血液検査で「ダニ>ハウスダスト」や「ダニ≒ハウスダスト」の方は、効果がある可能性が高いと考えられます。まれですが「ダニ≪ハウスダスト」の方には効果が乏しいと考えられます。

★Q.03 スギとダニの舌下免疫療法は、同時にできますか?
同時にできますが、開始の時期はズラします(最低1か月)。副作用が出るのは開始初期が多いため、同時に始めると副作用が出た場合にどちらが原因かわからなくなるためです。また、舌下投与は2種類同時には行わないでください。

★Q.04 他のお薬と一緒に管理しても良いですか? 扱いは?
できれば別々の管理をおすすめします。一緒にすると、舌下ではなく内服してしまう可能性があります(舌下に維持することが大切です)。
また、溶けやすく吸湿しやすい薬ですので、内服直前に開封し、濡れた手で触らないようにしてください。内服後は、指についた花粉が鼻などに入らないよう、手を洗ってください。

★Q.05 内服を忘れたときは、どうしたら良いですか?
毎日の内服が基本ですが、週に1~2日忘れても効果のある可能性が高いと言われています。1週間までの飲み忘れや休薬の場合(喘息発作によるものを除く)、これまでの続きとして再開してください。(ただし、効果の出る可能性を高めるためには、体調不良時以外はできるだけ毎日服用するようにしてください。また、はじめからたまに忘れても良いと思っていると、飲み忘れがどんどん増えてしまうことも考えられます。)
一方で、①増量期に1週間以上休薬した場合、②維持期に2週間以上休薬した場合、③喘息発作による休薬を行った場合は、いちど受診をお願いします(その際は、前回処方されたお薬もご持参ください)。内服開始からの時期、休薬期間、休薬の原因、これまでの副作用などを含めてご相談させていただき、同量で再開するか、院内で観察しながら再開するか、一旦減量するか、などを検討します。

★Q.06 歯が抜けたり、歯科治療したり、口の中をけがした場合は?
お薬の吸収率が上がるため、一時休薬をしてください。乳歯が抜けた場合、2~3日経って痛みや出血が無ければ、再開してください。歯医者さんで治療する場合、歯のみの治療なら翌日投与可能ですが、歯肉(歯茎)に傷がつく場合は傷が治るまで数日様子を見てください。抜歯を行った場合は、1週間程度様子をみて、痛みがなく、歯医者さんでの診察でも経過に問題が無ければ、元の量で再開してください。口の中のけがや明らかな口内炎でも、治るまで休薬してください。

★Q.07 アレルギー症状が出た場合はどうすれば良いですか?
舌下投与に関連する症状が疑われる場合は、症状の程度によって経過観察・抗アレルギー薬内服・受診・救急要請(アナフィラキシー時など)をご検討ください。他の原因によるアレルギー症状や喘息・アトピーなどの症状と思われる場合は、それぞれの治療を行ってください。食物アレルギーの症状が出た場合は、24時間休薬してください。

★Q.08 舌下投与後に、口の中や喉の違和感、投与部位の腫れなどがあります。
よくある副反応で、治療初期(開始直後~1か月程度)にかなりの確率で起きます。軽度であれば様子を観察し、次回受診時にお伝えください。症状を繰り返す場合は、舌下投与前に抗アレルギー薬を内服してから舌下投与を行うようにしてください。
口や喉の症状が強い場合や、投与部位以外の腫れがある場合、30分~1時間経っても症状が改善しない場合は、抗アレルギー薬を内服してください。息苦しさ・喘息症状・強く持続する咳などがあれば、救急受診もしくは救急要請をお願いします。

★Q.09 舌下免疫療法中に抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬を飲むのは大丈夫?
特に問題はありません。副作用が出やすい開始初期には、良く併用します。また、他のアレルギー疾患で使用されている方も、特に問題ありません。
ステロイドや免疫抑制剤については、外用薬(塗り薬)や吸入薬は特に問題ありませんが、全身投与(内服や注射)は治療効果を弱めたり、投与終了後に副作用が生じたりする可能性があるため、使用される・された際はご相談ください。

★Q.10 妊娠中や授乳中の治療はできますか?
治療中に妊娠された場合で、舌下免疫療法による副作用がなく安定していれば、治療継続可能です(薬剤自体が胎児や乳児に影響を与えるとは言われていません)。ただし、新規での治療開始はおすすめしません(治療初期に多い副作用が起きた場合、胎児に影響を及ぼす可能性があるため)。お子さまの離乳後に、開始させてください。

上記以外にも、舌下免疫療法についてのご質問があれば、遠慮なくご相談ください。
このブログ記事も、適宜更新・改善していきます。

はらだ小児科・内科・アレルギー科 原田太郎